競売不動産の入札では、最高価買受申出人が代金を支払わなかった場合や保証金を放棄して辞退した場合に備えて、「次順位買受申出人」という制度が用意されています。ただし、2番手の入札者であれば誰でもなれるわけではなく、いくつかの条件を満たす必要があります。この記事では、次順位買受申出人になるための3つの条件と、実際の金額例をわかりやすく解説します。

この記事の内容
1. 次順位買受申出人とは
不動産担保競売・強制競売において、入札後の開札で最高額を入札した方が「最高価買受申出人」となり、原則としてその方が落札権利を得ます。しかし、最高価買受申出人が何らかの理由で代金を支払わなかった場合や、保証金を放棄して辞退した場合に、はじめて「次順位買受申出人」の出番となります。
次順位買受申出人は、購入する権利を得られる可能性がある地位に過ぎず、実際に権利を履行する意思表示をしたときに、はじめて購入できる権利を取得する制度です。
2. 次順位買受申出人になるための3条件
最高価買受申出人に次ぐ入札額(いわゆる2番手)だからといって、自動的に次順位買受申出人になれるわけではありません。以下の3条件をすべて満たす必要があります。
- 開札時にその会場にいること
- 入札価格が「最高価買受申出人入札価格-買受申出保証額」を上回ること
- 次順位買受申出人となることを自ら申し出ること
3. 条件1:開札時に会場にいること
開札日に結果が公表される際、その会場にいる必要があります。裁判所から開票結果が伝えられる時点で2番目に高額な入札をした方が会場にいない場合、次順位買受申出人の権利は辞退したものとみなされます。
実務上は、最高価買受申出人としての資格を得た方はその場にいなくても資格を失うことはないため、開札会場に足を運ばないケースが多いのが実情です。加えて、自分が2番手だったかどうかはその場で結果を聞かない限りわからないため、なおさら会場に残る方は少ない傾向にあります。
4. 条件2:入札額が「最高価買受申出人入札価格-買受申出保証額」を上回ること
開札時には次順位の入札額も併せて公表されますが、金額条件をクリアしていない場合は「次順位買受申出人の資格はございません」と伝えられます。
2番手の入札額 > 最高価買受申出人入札価格 - 買受申出保証額
売却基準価額:1,190,000円
買受申出保証額:238,000円
最高入札価格:2,500,000円
次順位買受申出人の資格を得るための最低額 = 2,500,000円 - 238,000円 = 2,262,000円
→ 2番手の入札額が2,262,000円以上であれば、次順位買受申出人の資格を得られます。
5. 条件3:次順位買受申出人となる旨を申し出ること
条件1・条件2を満たしても、自動的に次順位買受申出人になるわけではありません。これは最高価買受申出人との大きな違いです。最高価買受申出人は、書類等に不備がない限り、最高額で入札した時点で自動的にその地位を得て、原則としてキャンセルはできません(買受申出保証額を放棄すればキャンセル自体は可能です)。
なお、最高価買受申出人が正式にキャンセルし、かつ次順位買受申出人がいない場合は、同一の事件番号で改めて競売の公告が行われ、数ヶ月後に再度競売が開かれるのが一般的です。この際、一度キャンセルした最高価買受申出人は、同一の競売に再度参加することはできません。
以上を踏まえ、裁判所関係者から「次順位買受申出人の資格があります」「次順位買受申出人となりますか」と確認された際は、その場でしっかりと意思表示を行うことが必要です。
次順位買受申出人チェックリスト
- 開札日当日、会場に出向く予定があるか
- 自分の入札額が「最高価買受申出人入札価格-買受申出保証額」を上回っているか事前に試算したか
- 資格があると告げられた際、即座に意思表示できる準備があるか
- 最高価買受申出人が辞退した場合の資金準備(残額支払い等)ができているか
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