リースバックとは

セールアンドリースバック

リースバックはセールアンドリースバックと同じ意味合いで使うことが多いです。不動産において、物件所有者が急にお金が必要になったり、住宅ローンの支払いが苦しくなった場合などに、物件をただ売却するのではなく、リースバック業者や投資家に売却することにより、所有者(元所有者)は今まで住んでいた元所有物件に対して、今度は賃料を払うことで、そのまま住み続けることができるというものです。

特約で、数年後に買戻しが可能な契約もできる場合がありますので、一時現金が必要であるが、後には所有者として戻ることも可能になります。上記文言よりわかると思いますが、リースバック契約をすることで所有権は元所有者から売却先へ移ることになります。

よって固定資産税や都市計画税などは、リースバック前とは違い現所有者(リースバック業者)が支払うこととなります。

リースバックは、不動産のほか動産に対しても出来ます。例えば企業が所有する機械装置などの資産を売却し、同時にその資産を引き続き使用するためにリースバックすることなどがあります。

具体的には、企業が自社で所有している不動産や設備などの資産を、専門の会社に売却することで現金を調達し、その後、同じ資産をリースバックすることで、資産を使用しながら現金を調達する方法です。

この方法を用いることで、企業は必要な現金を調達することができるだけでなく、自社が所有する不動産や設備などの資産を活用することができます。また、リースバックによって、企業は資産を所有することによるリスクやコストを軽減することもできます。

一方で、リースバックには、売却する資産の価値やリースバック料金などの条件が重要になってくるため、注意が必要です。また、リースバック期間中に資産を使用できるが所有権は売却した企業から離れてしまうため、将来的に資産を必要とする場合には、再び購入する必要が生じる可能性があります。

買戻特約

買戻特約とは、リースバックにおいて、リース期間終了時に資産を元の所有者が買い戻すための契約条項のことを指します。このような買戻特約が可能かどうかは、契約の内容によって異なります。

一般的には、買戻特約はリース契約の一部として含まれることがあります。ただし、買戻特約を設ける場合には、リース期間が終了するまでの間に元の所有者が買い戻すための価格や条件が明確に定められている必要があります。

また、買戻特約がある場合でも、元の所有者が買い戻す価格は、市場価格や物件の状態に応じて変動することがあります。そのため、買戻特約を含めたリースバック契約を検討する際には、契約書の内容をよく確認し、リスクやコストを考慮した上で判断することが重要です。

リースバックの具体例

リースバックは、不動産や動産の資産運用のために利用することができる方法であり、以下のような具体的な利用例があります。

  1. 不動産のリースバック 企業が所有する不動産をリースバックすることで、現金を調達することができます。この資金は、事業拡大や新規プロジェクトのための投資、運転資金の調達などに利用されることがあります。
  2. 機械装置のリースバック 企業が所有する機械装置や設備をリースバックすることで、必要な現金を調達することができます。これにより、企業は新しい設備を購入するための資金を確保することができます。
  3. 自動車のリースバック 自動車を保有する企業は、リースバックによって車両を現金化することができます。これにより、事業拡大や運転資金の調達などに利用することができます。
  4. 不動産投資のリースバック 不動産投資においても、リースバックは一般的に利用されます。投資家が不動産を取得した後、テナントに売却してからリースバックすることで、投資利回りを向上させることができます。

リースバックのメリットとデメリット

ここまでリースバックの仕組みや具体例をお伝えしましたが、メリットとデメリットも簡単にお伝えしたいと思います。

リースバックのメリット

  1. そのまま住み続けたり、利用することが可能。
  2. 短期間で必要なお金を用意できる。
  3. 家の維持コストが掛からくて済む。
  4. 特約によって後に買い戻しができる場合がある。

リースバックのデメリット

  1. 売却価格が一般売却よりも安くなる。
  2. 家賃の支払いが生じる。
  3. 無期限の賃貸借契約ではない。
  4. 賃料が一般的な賃貸価格よりも高くなる。
  5. 所有権が買取業者に移る。
  6. ローンの残債が売却価格よりも多い場合はリースバック出来ない。※例外あり

これらの例からもわかるように、リースバックは、企業や投資家が資金調達や資産運用のために利用することができる便利な方法です。ただし、メリットやデメリット、コストをよく考慮して、契約書の内容を確認した上で判断することが肝要といえます。

リースバックを検討する際は、専門的な知識と実績を持っている業者かどうかが重要な鍵となります。わからないことは、まずは不動産屋に相談してみてください。